初めてOJTを持つ先輩になったよ

桜の季節に新入社員はやってくる。私の部署にもピカピカの新入社員がやってきて、OJTの指導を任命された。後輩指導をするのは初めてなので、ドキドキわくわく。新入社員さんには、仕事の楽しさを知ってもらいつつ、しっかりと社会人1年生としての第一歩を踏み出してほしい。ただ、いかんせん私にとって後輩指導は初めてだし、コロナウィルスの影響で、双方在宅勤務のまま指導する/されることになった。自分の頭の整理のためにも、リモート時代の新入社員の先輩としての心がけを書き留めておこうと思う。自分よ、初心を忘れるなよ。

 

Assess & Adjust

初めに結論から言うと、リモートであろうとなかろうと指導を行うときに心がけることは「Assess & Adjust」につきると思う。つまり、指導される人のできること、できないことを評価し、その人に合わせた指導を行うのが基本だと思う。

そもそも先輩は、何も知らないぴよぴよの新入社員をとりあえず1人で仕事ができるまでに育てることが役割。つまり「社会人としての基礎力(あいさつ・報連相・セキュリティなど業務上必要な能力)を身につけるための指導員」のこと。そうなると、まず指導員は、新入社員の社会人としてのスキルの有無を確認する必要がある。

 

①Assess:現時点での能力を知る…何ができて何ができないかを評価する

ここでいう能力というのは「中国語で契約交渉ができます!」「システム改修ができます!」なんていう大それたものではなく、

・ちゃんと挨拶できるか

・毎朝遅れずに業務開始できるか

・報告・連絡・相談を適切なタイミングで適切な人にできるか

・社会人として適切にメールが書けるか

・困ったときに助けを求められるか

などなどの、これらの社会人として生きていく上で必須の能力をどの程度身に着けているのか?ということ。現時点で何ができて、何ができないのかがわかっていないのだから、まずはその部分を日々の業務を通じてAssess(評価)する必要がある。

 

さて、何ができるか、何ができないかが分かった。

じゃあ、できていないことをどう指導すれば、身につけてもらうことができるのだろうか?

 

②Adjust:後輩に合った教え方を探りつつ(Adjust)、日々指導を行う

「こういう風に教えれば誰でも1人前になれる!」というメソッドがあればいいのだけれど、全く同じ授業を受けた一人一人の理解度が全く異なるように、「この教え方をしておけば万事OK!」というような万能メソッドはない。なので、【”できないことに直面した時の基本の考え方”を教え、彼/彼女に合わせて調整していく】のが、遠回りに見えて、結局は近道だと思う。

まずは、できないことに直面した時の基本的な考え方の2ステップを共有し、試してもらう。

Step1: 自分で考えてトライしてみる → Step2: 解決しなかったら先輩に聞く

すると、この2ステップだけでも、人によってかなり大きな差が出るので、その人の性質を見極め→性質に合わせてサポートする。

Step1…

・すぐに人に聞く→基本的な問題解決の方法とともに、自分で考える癖付けを指導する

・どうすればいいかずっと考えてる→時間対効果(生産性)の考え方を共有し、失敗を恐れず前に進む姿勢を指導する

Step2…

・何を聞きたいのか要領を得ない→何がわかっていないかを把握するための思考プロセスを共有し、聞きたいことを聞くコミュニケーション力を伸ばす

・何も聞かず間違えた方向に突き進む→与えられたタスクを正確に把握すること、報連相の徹底を癖付けする

このように、2ステップを通じて把握した後輩の考え方や行動の癖を把握したうえで、どうすれば彼らが社会に求められている「社会人基礎力」を身につけられるか?を調整しつつ指導していく。

日々の業務指導は、日常から気を付けないと、できてないことばかりに着目したり、「べき論」に執着して型にはめた指導をして、本人の強みをつぶしてしまう可能性がある。あくまでも先輩としてのタスクは「社会人としての基礎力を身につけさせる」ことであり、「私好みのスタイルで仕事をする後輩を作り上げること」ではないことをよくよく頭に入れておきたい。指導が行き過ぎるとパワハラになるし、合わない指導を続けると成長が鈍く、双方にストレスがかかる。

 

 

最後に、若木が自然に伸びていくように、新入社員もほおっておいても勝手に成長していく。”指導”というか”サポート”くらいの気持ちで、朝顔のツルをはわせるための棒を指すくらいのことしかできないってことをきちんと自分によくよく言い聞かせよう。

 

自分へのいましめ。

私は、仕事のことになると”こうあるべき”=”I / You should do this!”の「べき論」に支配されて、自分でも息がつまることが多々ある。この考え方を少しづつでも修正していかないと、後輩に対しても「仕事とはこうあるべき。こうすべき。こうすべきだったのになぜできていないのか?」といった、型にはめるような指導をしてしまう可能性がある。仕事って実は「べき」よりも、「こうした→なぜなら」がきちんと説明できればOK。結局、自分がしっかりとそのタスクのゴールを見極めて、それをクリアするために作業したり頭使って答えをだせていれば、OK。後輩の柔軟な考え方を、一人の人間としてリスペクトしつつ、その考え方で業務上OKか?という、後輩には判断できない部分をサポートするのがあくまでも私の仕事。

 

楽しくOJTと働くぞー!おー!